コロナと住宅価格

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

新型コロナウイルスの影響で株式などの不安定な動きが続いており、先行きの不透明感が拭えない昨今。

与える影響は大きく、世界経済がかつてないレベルで毀損してしまうのではないかと言われています。

withコロナで少しずつ社会生活が元に戻りつつある今、改めてこれからの住宅価格への影響はどのようなものになるのでしょうか。

過去に住宅価格が値崩れを起こしたのは、平成バブルの崩壊でした。

バブルの崩壊で住宅価格は半値近くまで値崩れし、積極的な不動産融資を行っていた金融機関は主要銀行を含めて、バブル崩壊を期に不良債権を抱える事となり、不良債権の処理に２０年以上の時間を費やすこととなりました。

国土交通省が発表している不動産価格指数（東京都）を見ると１９９０年代の平成バブル崩壊以降、価格指数は下落の一途を辿っており２０００年頃から少しづつ回復傾向に。

マンションについては、２０１２年までは戸建住宅と同じような動きをしていましたが２０１３年以降は価格上昇が継続。

これは、共働き世帯の比率が上昇し利便性の高いマンションに人気が集中したことに加え、相続税対策としてタワーマンションがもてはやされたこと、海外からの資金流入などの影響が考えられます。

コロナ禍の住宅価格への影響は、ある程度限定的なものになりそう

今までの不動産価格と日経平均株価の連動性を考えると、日経平均が１万円を割り込むような事がなければ、住宅価格が一気に下がるようなことはなさそうです。

マンションについては、必ずしも実需だけで価格形成されていたわけではない面がありますので、その分（海外を絡めた投資需要）がはげ落ちる可能性はありますが、共働き世帯の割合が増加し利便性の高いマンションへの選好が高まっている現在、特に市内中心部に位置する、これまでも資産性が高いとされていたエリアのマンションは戸建水準よりも価格が維持されるとみられ、現状、マンションの値下がりは限定的であるといえそうです。

今後、景気後退の度合いが激しくなり企業が給料を大幅に下げる、雇用が維持できないという事態が広範囲で発生するような事態が起これば状況は全く異なってきます。

しかし、株価を見る限りではそこまでの状況にはなっていませんので、平成バブル崩壊の時のような暴落にはならないであろうと思います。

今後、新型コロナウイルスで様々な業種が受けた影響がどの程度回復し、数ヵ月後～１年後にどのような状況になっていくのかを、これからも注意深く観察していく必要があります。